日本の伝統芸能「狂言」を継承する一方、『陰陽師』『のぼうの城』などの映画に主演し、ヒットに導いてきた野村萬斎さん。その芸に集中するためのモノへのこだわり、「一度買ったら末代まで」の精神とは。
■装束は「離見の見(りけんのけん)」に合うものを
「モノはやっぱり、良いものがほしい。本業でいえば、装束(衣装)、面、扇。そういうものには、すごくこだわりを持ちます。
例えば、装束。僕は2011年から、福島の復興を祈願するような形で、『MANSAI ボレロ』という独舞を上演してきました。狂言の『三番叟(さんばそう)』(※1)とラヴェルの『ボレロ』(※2)が音楽的に似ていることから創作したものです。
※1:天下泰平を祈る儀礼曲『翁(おきな)』の後半部分および狂言方の舞。※2:フランスの作曲家、モーリス・ラヴェルが1928年に作曲したバレエ音楽。
その装束は、もともとは巫女(みこ)的なイメージのものでした。でも17年4月に舞うにあたって、『天地人』とか『生と死』とか、いろんな次元を飛んでいくイメージがほしいと思った。そこで鳳凰(ほうおう)の柄がドカンと描かれた狩衣(かりぎぬ)を新調したんです。それをまとうことで、自分の中で鳥的なイメージが膨らんで、舞もいろいろ変わりました。
■装束は「離見の見(りけんのけん)」に合うものを
「モノはやっぱり、良いものがほしい。本業でいえば、装束(衣装)、面、扇。そういうものには、すごくこだわりを持ちます。
例えば、装束。僕は2011年から、福島の復興を祈願するような形で、『MANSAI ボレロ』という独舞を上演してきました。狂言の『三番叟(さんばそう)』(※1)とラヴェルの『ボレロ』(※2)が音楽的に似ていることから創作したものです。
※1:天下泰平を祈る儀礼曲『翁(おきな)』の後半部分および狂言方の舞。※2:フランスの作曲家、モーリス・ラヴェルが1928年に作曲したバレエ音楽。
その装束は、もともとは巫女(みこ)的なイメージのものでした。でも17年4月に舞うにあたって、『天地人』とか『生と死』とか、いろんな次元を飛んでいくイメージがほしいと思った。そこで鳳凰(ほうおう)の柄がドカンと描かれた狩衣(かりぎぬ)を新調したんです。それをまとうことで、自分の中で鳥的なイメージが膨らんで、舞もいろいろ変わりました。